【症例報告】椅子から立ち上がった時のぎっくり腰|歩くのもつらい急性腰痛への対応
2026年07月20日

椅子から立ち上がった時に起きた急性腰痛の症例
今回ご紹介するのは、椅子から立ち上がった際に急性腰痛、いわゆるぎっくり腰を発症した40代男性の症例です。歩行時の痛みが強く、「とりあえず歩けるようにしてほしい」という不安を抱えて来院されました。
ぎっくり腰は、重い物を持ち上げた時だけでなく、椅子から立ち上がる、顔を洗う、靴下を履く、くしゃみをするなど、日常の何気ない動作で起こることがあります。
今回の患者さんは、来院の2日前に椅子から立ち上がったタイミングで腰に強い痛みが出現しました。その後も歩行時の痛みが取れず、来院時には杖を使って歩かれている状態でした。
急性腰痛では、痛みそのものへの不安だけでなく、
「動かして悪化しないか」
「このまま歩けなくなるのではないか」
「仕事や日常生活に戻れるのか」
といった不安を感じる方も多くいらっしゃいます。
当院では、急性腰痛の場合でも、痛みが出ている腰だけを見るのではなく、前屈動作、伸展動作、歩行動作、股関節、骨盤、体幹、筋肉の緊張などを確認します。すべての腰痛に同じ対応が適しているわけではないため、その方の状態に合わせた評価が大切です。
来院時のお身体の状態
今回の症例では、以下のような状態が確認されました。
・前屈時痛あり
・FFD(多分節屈曲)は指先が膝付近
・腰を反らす伸展動作でも痛みあり
・歩行時痛が強い状態
・SLRテストは陰性
・パトリックテストは陰性
・痛みが強く、細かな柔軟性検査や筋力検査は実施困難
FFDとは、立った状態で前屈した時に指先がどこまで届くかを見る評価です。腰、股関節、太もも裏の柔軟性や、前屈時にどの程度痛みが出るかを確認する目安になります。
SLRテストは、坐骨神経痛や神経症状の有無を確認するために行う検査です。パトリックテストは、股関節や仙腸関節周囲の状態を確認する際に用いられます。
今回の症例では、これらの検査で明らかな陽性所見はみられませんでした。ただし、痛みが強い急性期だったため、すべての検査を無理に行うのではなく、まずは痛みを強くしている部位を見極めることを優先しました。
ぎっくり腰はなぜ起こるのか
ぎっくり腰は、腰の筋肉や関節に急な負担がかかり、炎症や筋肉の過緊張が起こることで発症することがあります。ただし、原因は一つだけとは限りません。
痛みを感じる場所が腰であっても、実際には股関節、骨盤、体幹、殿部の筋肉、歩行動作などが関係していることがあります。
たとえば、椅子から立ち上がる動作では、腰だけでなく、股関節を曲げ伸ばしする力、骨盤を安定させる力、体幹を支える力が必要です。これらの働きが低下していると、立ち上がる瞬間に腰へ負担が集中しやすくなります。
また、痛みが出た後は、身体が自然とかばい動作を行います。腰を丸めたまま歩く、片側に体重をかける、股関節を使わず腰だけで動くなどの動作が続くと、さらに別の部位へ負担が広がることもあります。
今回の症例では、腸腰筋、中殿筋、仙腸関節、椎間部へのアプローチで変化がみられました。
腸腰筋は、腰椎から股関節につながる深い筋肉で、姿勢保持や脚を持ち上げる動作に関わります。中殿筋は、骨盤を横から支える筋肉で、歩行時に骨盤を安定させる役割があります。仙腸関節は骨盤の後ろ側にある関節で、歩行や体重移動の際に負担がかかりやすい場所です。
つまり、歩くのもつらい急性腰痛では、「腰が痛いから腰だけを施術する」のではなく、どの動きで痛みが出るのか、どの筋肉や関節が関係しているのかを確認することが大切です。
整骨院で行った評価と施術内容
今回の症例では、急性期の強い痛みがあったため、まず痛みを強くしている可能性のある部位を探しながら、ハイボルト施術を行いました。
ハイボルトとは、電気刺激を用いて筋肉や関節周囲の痛みの反応を確認しながら、過緊張や痛みにアプローチする施術方法です。急性腰痛では、炎症や筋肉の防御反応が強く出ていることがあるため、状態を見ながら刺激量を調整することが大切です。
最初に腸腰筋へハイボルトを行ったところ、今回の症例では前屈時の痛みが10段階中10から2程度まで変化し、FFDも膝付近から足首上付近まで改善がみられました。
この変化から、腸腰筋の過緊張や股関節周囲の動きが、前屈時痛に関係していた可能性が考えられます。
ただし、この時点では歩行時痛は10から6程度で、まだ跛行がありました。跛行とは、痛みや不安定感によって通常の歩き方ができず、かばいながら歩く状態のことです。
その後、椎間部、中殿筋、仙腸関節に対してハイボルト施術を行いました。今回の症例では、その後に歩行時痛にも変化がみられ、帰る際には杖を使わなくても歩ける状態まで改善が確認できました。
もちろん、すべてのぎっくり腰で同じような変化が出るわけではありません。症状の程度、炎症の強さ、神経症状の有無、生活動作の負担によって経過は異なります。
大切なのは、痛みのある場所だけを強く揉むのではなく、身体の反応を確認しながら、その方に合った施術を選択することです。
サモーナスポーツ整骨院では、ハイボルト、スポーツ整体、骨盤矯正、ストレッチ、運動指導などを組み合わせ、痛みの軽減だけでなく再発予防まで見据えたサポートを行っています。
急性腰痛の初期に気をつけたい過ごし方
ぎっくり腰などの急性腰痛では、発症してから数日間は痛みが強く出やすい時期です。特に発症直後から3日程度は、炎症や筋肉の防御反応が強く、無理な動作で痛みが悪化することがあります。
この時期は、痛みを我慢して無理にストレッチをしたり、自己流で強く揉んだりすることは避けましょう。前屈や反らす動きで強い痛みが出る場合は、痛みを確認するために何度も同じ動作を繰り返さないことも大切です。
一方で、完全に寝たきりになる必要があるとは限りません。強い痛みが落ち着いている範囲で、トイレや食事など必要な日常動作は無理なく行いましょう。
痛みが強い場合は、コルセットを一時的に使用することで動作時の不安が軽減することもあります。今回の症例でも、施術後は持参されていたコルセットを使用し、急性期の負担を抑えながら生活していただく方針としました。
ただし、コルセットに長期間頼りすぎると、体幹の働きが低下しやすくなる場合もあります。痛みの程度や生活動作に合わせて、使用期間を調整することが大切です。
急性期の過ごし方で大切なのは、次の3つです。
・強い痛みが出る動作を無理に繰り返さない
・必要な日常動作は痛みの範囲で行う
・痛みが強い場合は早めに専門家へ相談する
「安静にすべきか」「動かした方がよいのか」は、症状の程度によって異なります。不安な場合は自己判断せず、身体の状態を確認してもらいましょう。
再発予防には姿勢・股関節・体幹の改善が大切
ぎっくり腰は、痛みが落ち着いた後の対応がとても重要です。痛みが引いたからといって、腰に負担がかかりやすい身体の使い方まで改善しているとは限りません。
痛みが強い期間は、身体は自然とかばい動作を行います。片側に体重をかける、腰を丸めたまま動く、股関節を使わず腰だけで立ち上がるなどの動作が続くと、姿勢や筋力のバランスが崩れやすくなります。
そのため、急性期の痛みが落ち着いてきたら、早い段階で姿勢、股関節、骨盤、体幹の使い方を確認していくことが大切です。
再発予防で確認したいポイントは以下の通りです。
・前屈や伸展動作を確認し、腰だけに負担が集中していないかを見る
・股関節の動きをチェックし、立ち上がりや歩行でしっかり使えているかを確認する
・中殿筋の働きを確認し、歩行時に骨盤を安定させられているかを見る
・体幹の安定性を確認し、腰を守るための土台が機能しているかをチェックする
・姿勢の崩れ、反り腰、猫背、かばい姿勢が残っていないかを確認する
腰痛を繰り返す方は、痛みがなくなった時点で終わりにしてしまうことが少なくありません。しかし、筋力低下や動作のクセが残っていると、再び椅子から立ち上がる、荷物を持つ、朝起きるなどの動作で腰に負担が集中することがあります。
江東区の住吉駅前サモーナスポーツ整骨院では、痛みへの施術だけでなく、再発予防のためのストレッチや運動指導も行います。特に、腸腰筋や殿部の柔軟性、股関節の使い方、体幹の安定性を整えていくことで、腰に負担が偏りにくい身体づくりを目指します。
自分でできるセルフチェック
急性腰痛の状態を自分で確認する際は、無理に大きく動かす必要はありません。痛みが強い場合は、以下の項目を軽く確認する程度にしましょう。
・立ち上がる時に腰の痛みが強くなる
・歩く時に腰やお尻まわりが痛む
・前屈すると痛みが強くなる
・腰を反らすと痛みが強くなる
・片足に体重を乗せると痛みが増える
・腰だけでなく、お尻や股関節周囲にも違和感がある
・痛みを避けるために歩き方が変わっている
これらに当てはまる場合、腰だけでなく、股関節、骨盤、殿部、体幹の働きも関係している可能性があります。
ただし、痛みを確認するために何度も前屈や反らす動作を繰り返す必要はありません。痛みが強い場合は、早めに専門家へ相談してください。
医療機関を受診した方がよい腰痛のサイン
ぎっくり腰のように見えても、状態によっては医療機関の受診が必要です。以下のような症状がある場合は、整骨院だけで判断せず医療機関での確認を優先してください。
・足のしびれや麻痺が強い場合は、神経症状の確認が必要です
・排尿や排便に異常がある場合は、早急な受診が必要です
・発熱を伴う腰痛は、感染などの可能性があるため注意が必要です
・安静にしていても強い痛みが続く場合は、検査を検討する必要があります
・転倒や交通事故など外傷後の強い痛みは、骨折の可能性があります
・がんの既往や原因不明の体重減少がある場合は、医療機関での確認が必要
です。
急性腰痛は多くの方に起こる身近な症状ですが、すべてを「ただのぎっくり腰」と判断するのは安全ではありません。不安な症状がある場合は、早めに医療機関や専門家へ相談しましょう。
住吉駅・大島駅周辺でぎっくり腰にお悩みの方へ
江東区住吉駅前サモーナスポーツ整骨院では、ぎっくり腰や急性腰痛に対して、痛みが出ている腰だけでなく、歩行動作、前屈・伸展動作、股関節、骨盤、体幹、筋肉の緊張などを確認しています。
急性期では、まず痛みや炎症を強くしている可能性のある部位を見極め、ハイボルトやスポーツ整体などを組み合わせて負担の軽減を目指します。
そして、痛みが落ち着いた後は、再発予防に向けて姿勢改善、骨盤矯正、ストレッチ、運動指導を行います。
腰痛は、痛みがある時だけでなく、痛みが落ち着いた後の身体づくりが大切です。
「椅子から立ち上がったら腰が痛くなった」
「歩くのがつらい」
「ぎっくり腰を繰り返している」
「腰痛の再発予防まで考えたい」
このようなお悩みがある方は、無理に我慢せずご相談ください。
サモーナスポーツ整骨院は、住吉駅・大島駅周辺から通いやすく、腰痛、肩こり、膝痛、スポーツ障害、姿勢改善など幅広いお身体のお悩みに対応しています。
よくある質問
Q1. ぎっくり腰になったら、まず安静にした方がいいですか?
強い痛みがある急性期は、無理に動かしすぎないことが大切です。ただし、完全に寝たきりになる必要があるとは限りません。痛みが許す範囲で、トイレや食事など必要な日常動作は無理なく行いましょう。
Q2. 椅子から立ち上がっただけで腰を痛めることはありますか?
あります。立ち上がり動作では、腰、股関節、骨盤、体幹が連動します。股関節周囲の硬さや体幹の不安定性があると、腰に負担が集中する原因の一つになることがあります。
Q3. 歩けないほど腰が痛い時、整骨院に相談してもよいですか?
しびれ、麻痺、排尿・排便障害、発熱、外傷後の強い痛みなどがなければ、整骨院で身体の状態を確認できる場合があります。ただし、危険サインがある場合は医療機関の受診を優先してください。
Q4. ハイボルト施術はぎっくり腰にどのような目的で使いますか?
ハイボルトは、筋肉や関節周囲の痛みの反応を確認しながら、過緊張や痛みにアプローチする目的で使用します。今回の症例では、腸腰筋や中殿筋、仙腸関節へのアプローチで変化がみられました。
Q5. ぎっくり腰の再発予防には何をすればよいですか?
痛みが落ち着いた後に、股関節の柔軟性、体幹の安定性、中殿筋などの筋力、立ち上がりや歩行動作を整えることが大切です。自己流ではなく、状態に合わせた運動指導を受けると安心です。
まとめ
椅子から立ち上がった時に起こるぎっくり腰は、腰だけの問題ではなく、腸腰筋、中殿筋、仙腸関節、股関節、体幹、歩行動作などが関係していることがあります。
今回の40代男性の症例では、腸腰筋へのハイボルトで前屈時痛とFFDに変化がみられ、その後、椎間部、中殿筋、仙腸関節へのアプローチで歩行時痛にも変化が確認できました。来院時は杖を使用されていましたが、帰る際には杖なしでも歩ける状態が確認されました。
ただし、すべての急性腰痛で同じ経過になるわけではありません。症状の程度や原因によって対応は異なります。
急性期はまず痛みと炎症を抑えることを優先し、その後はかばい動作で崩れた姿勢や筋力低下を整えていくことが大切です。
江東区住吉駅・大島駅周辺で、ぎっくり腰や急性腰痛にお悩みの方は、無理に我慢せず一度ご相談ください。
住吉駅前サモーナスポーツ整骨院では、痛みが出ている腰だけでなく、歩行動作、前屈・伸展動作、股関節、骨盤、体幹、筋肉の緊張まで確認し、一人ひとりの状態に合わせて施術と再発予防の運動指導を行っています。
この記事の執筆者:中澤 武士(なかざわ たけし)
保有資格:
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柔道整復師(国家資格)
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NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
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NASM-PES(パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト)
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中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
プロフィール:
スポーツ現場から医療分野まで幅広く携わる実践型トレーナー・施術者。
これまでに、大相撲の横綱をはじめとする幕内力士、新極真空手日本代表、プロボクサー、デフフットサル日本代表、競輪選手、実業団選手、市民ランナーなど多様な競技者をサポート。
施術による痛みの改善から競技復帰、さらにはパフォーマンス向上まで一貫したサポートを行うことを強みに、学生アスリートからトップ選手まで高い信頼を得ている。
現在は、江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」のエリアマネージャーとして、現場での施術・トレーニング指導に従事。スタッフ教育にも力を入れ、後進トレーナーの育成にも積極的に取り組んでいる。
区の行政事業における体操教室、トレーナー専門学校での学生教育、同業トレーナーへの指導、社内研修での講師など、教育・普及活動にも幅広く参加。
「根本改善・再発防止・パフォーマンス向上」を掲げ、身体の本質を見極める全身アプローチを信条に、多くの利用者が長く健康で動ける身体づくりをサポートしている。
この記事の監修者:鮫島 洋一(さめしま よういち)
保有資格:
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
- JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)
- NASMフィットネスエデュケーター
プロフィール:
メディカルトレーナーとして、甲子園大会や世界陸上など国内外のスポーツ現場に帯同。トップアスリートから成長期の学生アスリートまで、競技復帰・再発防止・パフォーマンス向上を見据えた施術・指導を行っている。
スポーツ障害に対する専門的な視点と、根本改善を重視した全身アプローチで、多くの競技者のサポートに携わってきた。
現在は江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」を運営し、地域の運動愛好家・学生アスリートからの信頼も厚い。また、トレーナー教育のための専門学校のコース長として教育の現場でも活躍している。









