テニス後に右膝の内側が痛む方へ|40代男性の鵞足炎施術事例
2026年08月10日

「テニスをした後から膝の内側が痛い」
「長く座った後、立ち上がるときに痛む」
「歩き始めは大丈夫でも、15分ほど歩くと膝が痛くなる」
「できればテニスを休まずに続けたい」
このようなお悩みはありませんか?
今回は、大島駅前サモーナスポーツ整骨院に来院された、右膝内側の痛みに悩む40代男性の症例をご紹介します。
患者様は、右膝へヒアルロン酸注射を受けた当日にテニスを行い、その3〜4時間後から右膝内側に痛みを感じるようになりました。
来院時には、長時間座った後の立ち上がりや、15分程度の歩行で痛みが出る状態でした。
身体評価では、膝周囲だけでなく、右股関節周囲の筋力低下、柔軟性の左右差、骨盤と下肢のバランスの崩れが確認されました。
※本記事は実際の症例をもとに、個人が特定されないよう一部内容を調整しています。施術による変化や回復期間には個人差があります。
テニス後に右膝内側の痛みが出現
患者様は40代の男性です。
7月5日に右膝へヒアルロン酸注射を受け、その後にテニスを行いました。
テニス終了直後には大きな痛みはなかったものの、3〜4時間ほど経過してから右膝の内側に痛みが出現しました。
特に症状がみられたのは、次のような場面です。
-
長時間座った後の立ち上がり
-
15分程度の歩行
-
右脚へ体重を乗せる動作
-
テニス後の日常生活動作
既往歴として、左膝の内側半月板断裂と、右膝の変形性膝関節症がありました。
左膝は現在、運動時の痛みはありませんでしたが、右膝については以前から関節への負担がかかりやすい状態であったと考えられます。
今回考えられた右膝鵞足炎とは
鵞足とは、膝の内側にある縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉の腱が集まる部分です。
これらの腱が膝の内側に付着する形が、ガチョウの足に似ていることから「鵞足」と呼ばれています。
この部分に繰り返し負担がかかり、炎症や痛みが生じた状態が鵞足炎です。
鵞足炎では、次のような症状がみられることがあります。
-
膝の内側からやや下にかけての痛み
-
押したときの圧痛
-
歩行時の痛み
-
階段昇降時の痛み
-
立ち上がり時の痛み
-
ランニングやテニスなどの運動後痛
今回の患者様も、鵞足部に明確な圧痛が確認されました。
ただし、膝の内側痛には、半月板損傷、内側側副靱帯損傷、変形性膝関節症、腱や筋肉の障害など、複数の可能性があります。
そのため、痛む場所だけで判断せず、徒手検査や動作評価を組み合わせて状態を確認することが重要です。
膝の靱帯や半月板の状態を確認
今回の症例では、膝関節周囲の損傷を確認するため、複数の徒手検査を行いました。
靱帯に対する検査
-
外反ストレステスト:陰性
-
内反ストレステスト:陰性
-
前方引き出しテスト:陰性
-
後方押し込みテスト:陰性
これらの検査では、内外側側副靱帯や前後十字靱帯の大きな損傷を強く疑う反応は確認されませんでした。
半月板に対する検査
-
マックマレーテスト:陰性
-
アプレー圧迫テスト:陰性
-
アプレー牽引テスト:陰性
今回の評価では、半月板損傷を強く疑う明確な反応はみられませんでした。
ただし、徒手検査が陰性でも、すべての関節内病変を完全に否定できるわけではありません。
膝の腫れや引っかかり、ロッキング、膝崩れなどがある場合には、整形外科での画像検査が必要になることがあります。
鵞足部の圧痛
膝の内側下方にある鵞足部には圧痛が認められました。
症状が出ている場所、動作、ほかの徒手検査の結果を総合的に考え、今回の膝内側痛には鵞足部への負担が関係していると判断しました。
なぜテニスで鵞足部に負担がかかるのか
テニスでは、前後左右への素早い切り返しや、急停止、踏み込み動作を繰り返します。
特に次のような場面では、膝の内側に負担がかかりやすくなります。
-
ボールを追うためのサイドステップ
-
ストローク時の踏み込み
-
急な方向転換
-
片脚でのブレーキ動作
-
疲労した状態でのフォームの崩れ
股関節や骨盤が十分に安定していない場合、踏み込み時に膝が内側へ入りやすくなったり、膝周囲の筋肉や腱に負担が集中したりします。
また、太ももや股関節周囲の柔軟性が低下していると、鵞足に付着する筋肉が引っ張られ、膝内側への負担が増えることがあります。
当整骨院で行った姿勢・動作評価
大島駅前サモーナスポーツ整骨院では、膝だけでなく、姿勢、股関節、骨盤、下肢全体の動きを確認します。
前屈可動域
立位で前屈した際、指先は床から5cmの位置でした。
強い制限ではありませんでしたが、ハムストリングスや殿部、腰部周囲の柔軟性に左右差がある可能性が確認されました。
姿勢評価
立位では、胸椎後弯と腰椎前弯が強くなるカイホロードシス傾向がみられました。
このような姿勢では、骨盤の位置が安定しにくくなり、股関節や膝の動作に影響する場合があります。
右短下肢
立位評価では、右脚が相対的に短くみえる左右差が確認されました。
実際の骨の長さが異なる構造的な短下肢ではなく、骨盤の傾きや筋肉の緊張によって生じる機能的な左右差の可能性もあります。
下肢長の左右差があると、歩行やテニス時の踏み込みで片側に負担が集中しやすくなります。
右股関節周囲の筋力低下を確認
筋力評価では、次の左右差がみられました。
-
腸腰筋:右4、左より低下
-
中殿筋:右3、左より低下
腸腰筋の役割
腸腰筋は、脚を持ち上げるだけでなく、股関節や骨盤を安定させる働きがあります。
腸腰筋が十分に働かないと、歩行や踏み込み時に股関節をうまく使えず、膝へ負担が集中する場合があります。
中殿筋の役割
中殿筋は、片脚で立ったときに骨盤を水平に保つ重要な筋肉です。
中殿筋の筋力が低下すると、踏み込み時に骨盤が傾いたり、膝が内側へ入りやすくなったりします。
テニスでは片脚に体重を乗せる場面が多いため、中殿筋の働きは膝の負担軽減に重要です。
股関節・太ももの柔軟性に左右差
柔軟性評価では、次の部位に緊張や左右差がみられました。
-
右腸腰筋
-
右大腿四頭筋
-
左ハムストリングス
-
右内転筋
-
右殿筋
特に右側では、股関節前面、太もも前面、内側、殿部など複数の筋肉に硬さがみられました。
鵞足に付着する薄筋や半腱様筋は、股関節や膝関節をまたいで働く筋肉です。
そのため、股関節周囲の柔軟性や骨盤の位置が変化すると、膝内側の腱にかかる負担も変わります。
今回の症例では、膝だけを施術するのではなく、股関節と骨盤の機能を整える必要があると考えました。
大島駅前サモーナスポーツ整骨院で行った施術
身体評価の結果をもとに、膝内側の痛みを軽減しながら、右下肢への負担を分散することを目的に施術を行いました。
骨盤矯正
右短下肢や姿勢の左右差がみられたため、骨盤と股関節周囲のバランスを調整しました。
骨盤の位置や周囲の筋緊張を整えることで、立位や歩行時に右膝へ集中していた負担の軽減を目指しました。
腸腰筋へのハイボルト
右腸腰筋には筋力低下と柔軟性低下がみられました。
腸腰筋へハイボルト施術を行い、筋肉の反応や股関節の動きを確認しました。
中殿筋へのハイボルト
右中殿筋の筋力は左側より低下していました。
中殿筋が働きやすい状態をつくることで、歩行やテニス時の片脚支持を安定させ、膝への負担軽減を目指しました。
ハンター管周囲へのハイボルト
膝内側周囲の症状に関係する筋肉や神経、軟部組織の反応を確認する目的で、ハンター管周囲へハイボルト施術を行いました。
膝窩筋へのハイボルト
膝窩筋は、膝の後方に位置する小さな筋肉で、膝の曲げ伸ばしや回旋のコントロールに関わります。
テニスの切り返しや踏み込みでは、膝関節を安定させるために重要な働きをします。
今回の症例では、膝窩筋へのハイボルト施術後、歩行時に感じていた右膝内側の痛みが軽減しました。
殿筋ストレッチ指導
右殿筋に柔軟性低下がみられたため、自宅で行うストレッチを指導しました。
施術後の状態を維持し、股関節を使いやすくすることで、歩行やテニス時の膝への負担軽減を目指します。
施術後に確認できた変化
膝窩筋へのハイボルト施術後、歩行時に感じていた右膝内側痛は、痛みの自己評価でPS0まで軽減しました。
患者様からも、歩行時の痛みが消失したことが確認できました。
ただし、施術直後に痛みがなくなったとしても、炎症や筋力低下、動作の問題が完全に改善したとは限りません。
今回の症例では、次の要因が残っていました。
-
右中殿筋の筋力低下
-
右腸腰筋の機能低下
-
股関節周囲の柔軟性低下
-
骨盤と下肢の左右差
-
右変形性膝関節症の既往
-
テニス時の繰り返し負荷
そのため、痛みの軽減だけで施術を終了せず、股関節周囲の筋力強化と柔軟性改善を継続する必要があります。
今後の治療・リハビリ計画
患者様の目標は、今後も痛みなくテニスを続けることです。
そのため、今後は次の流れで改善を目指します。
1.膝内側の炎症と痛みを落ち着かせる
初期段階では、テニスの練習量や切り返し動作を調整しながら、膝内側に強い負担をかけないようにします。
歩行や日常生活での痛みが続く場合には、運動量を見直す必要があります。
2.股関節周囲の柔軟性を改善する
腸腰筋、大腿四頭筋、内転筋、殿筋などを中心に、股関節周囲の柔軟性を改善します。
股関節が動きやすくなることで、テニス時に膝だけで踏ん張る動作を減らします。
3.中殿筋と腸腰筋を強化する
中殿筋や腸腰筋を強化し、片脚で身体を支える能力を高めます。
痛みのない範囲で、ヒップアブダクションや片脚立位、ステップ動作などを段階的に行います。
4.テニス動作を確認する
症状が落ち着いた段階で、サイドステップ、踏み込み、切り返しなどを確認します。
膝が内側へ入っていないか、骨盤が傾いていないか、右脚だけに負担が集中していないかを評価します。
5.競技復帰と再発予防
ウォーキング、軽いステップ、短時間のテニス練習へと段階的に負荷を上げます。
本格的に復帰する際は、練習後だけでなく、翌日の痛みや腫れも確認することが重要です。
ヒアルロン酸注射後の運動について
今回の患者様は、ヒアルロン酸注射を受けた当日にテニスを行い、その数時間後に痛みが出現しました。
注射後の運動については、注射を行った医療機関の指示を優先してください。
膝の状態や注射内容によっては、当日の激しい運動を避けるよう指示される場合があります。
注射後に次の症状がみられた場合は、施術だけで判断せず、注射を受けた医療機関へ相談してください。
-
強い腫れ
-
熱感や赤み
-
安静時の強い痛み
-
発熱
-
痛みが急激に悪化した
-
歩行が困難になった
注射そのものが原因なのか、注射後の運動負荷が関係しているのかは、身体評価だけで断定することはできません。
不安がある場合は、整形外科での確認が必要です。
テニスによる膝内側痛を予防するポイント
練習前に股関節を動かす
テニス前には、股関節前面、殿部、内転筋などを動かし、踏み込みやすい状態をつくります。
中殿筋を強化する
横向きでの脚上げやサイドステップなどで、中殿筋を鍛えます。
ただし、膝に痛みが出る場合は無理に行わないでください。
急に運動量を増やさない
久しぶりのテニスや長時間のプレーでは、膝への負担が急増します。
プレー時間やゲーム数を段階的に増やすことが大切です。
痛みをかばって続けない
片側の膝をかばうと、反対側の膝、股関節、腰へ負担が広がることがあります。
痛みが続く場合は、早めに身体の状態を確認しましょう。
練習後の症状を確認する
プレー中に痛みがなくても、数時間後や翌日に症状が出ることがあります。
運動直後だけでなく、その後の身体の反応も確認することが重要です。
次の症状がある場合は整形外科を受診してください
以下の症状がある場合は、整骨院での施術より先に整形外科での評価を受けてください。
-
膝が大きく腫れている
-
熱感や赤みがある
-
体重をかけられない
-
膝が引っかかって動かない
-
膝が頻繁に抜ける、崩れる
-
安静時や夜間にも強く痛む
-
発熱を伴う
-
注射後に症状が急激に悪化した
-
外傷後から強い痛みが続いている
-
数週間経過しても改善しない
整骨院では、問診、徒手検査、動作評価、施術、運動指導を行うことができます。
一方で、レントゲンやMRI、血液検査などはできません。
関節内の損傷や感染症などが疑われる場合には、医療機関での検査が必要です。
右膝鵞足炎に関するよくある質問
鵞足炎は歩くだけでも痛みますか?
炎症や負担の程度によっては、歩行や立ち上がり、階段昇降でも痛みが出ることがあります。歩き始めは問題なくても、一定時間歩いた後に痛みが出る場合もあります。
鵞足炎でもテニスを続けられますか?
症状の程度によって異なります。痛みが軽い場合は、練習時間や切り返し動作を調整しながら続けられることもあります。ただし、痛みを我慢して続けると悪化する可能性があります。
膝が痛いのに股関節を施術するのはなぜですか?
テニスの踏み込みや切り返しでは、股関節、膝、足関節が連動します。股関節周囲の筋力や柔軟性が低下すると、膝へ負担が集中しやすくなるためです。
ハイボルトで鵞足炎は治りますか?
ハイボルト施術後に痛みが軽減することはありますが、炎症や筋力低下、動作の問題がすべて改善したとは限りません。再発予防には運動療法や柔軟性改善も必要です。
変形性膝関節症があっても施術を受けられますか?
状態によって施術を受けられる場合があります。ただし、強い腫れや関節変形、夜間痛などがある場合には、整形外科での診察や画像検査が必要です。
テニスを長く続けるためには膝以外の評価も重要です
今回の症例では、右膝の鵞足部に圧痛があり、歩行時や立ち上がり時に膝内側痛がみられました。
一方で、身体全体を評価すると、次の問題も確認されました。
-
右中殿筋の筋力低下
-
右腸腰筋の筋力低下
-
股関節周囲の柔軟性低下
-
骨盤と下肢の左右差
-
右膝変形性関節症の既往
骨盤、腸腰筋、中殿筋、膝窩筋などへ施術を行った結果、施術後には歩行時の右膝内側痛が消失しました。
ただし、今後も痛みなくテニスを続けるためには、股関節周囲筋の強化、柔軟性改善、テニス動作の見直しが必要です。
膝の内側が痛む場合、膝だけに原因があるとは限りません。
骨盤、股関節、足関節、筋力、柔軟性、スポーツ動作まで確認することで、膝に負担がかかっている要因を見つけやすくなります。
大島駅周辺で、テニス後の膝内側痛や鵞足炎、変形性膝関節症に伴う膝の痛みにお悩みの方は、大島駅前サモーナスポーツ整骨院へご相談ください。
痛みの軽減だけでなく、テニス復帰と再発予防を見据えた身体づくりをサポートします。
ご予約前の注意事項
本記事は一般的な健康情報と症例紹介を目的としており、医学的な診断や治療を代替するものではありません。
症状や身体の状態、施術による変化には個人差があります。
ヒアルロン酸注射後に強い腫れ、熱感、発熱、急激な痛みの悪化がある場合は、注射を受けた医療機関へご相談ください。
この記事の執筆者:中澤 武士(なかざわ たけし)
保有資格:
-
柔道整復師(国家資格)
-
NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
-
NASM-PES(パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト)
-
中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
プロフィール:
スポーツ現場から医療分野まで幅広く携わる実践型トレーナー・施術者。
これまでに、大相撲の横綱をはじめとする幕内力士、新極真空手日本代表、プロボクサー、デフフットサル日本代表、競輪選手、実業団選手、市民ランナーなど多様な競技者をサポート。
施術による痛みの改善から競技復帰、さらにはパフォーマンス向上まで一貫したサポートを行うことを強みに、学生アスリートからトップ選手まで高い信頼を得ている。
現在は、江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」のエリアマネージャーとして、現場での施術・トレーニング指導に従事。スタッフ教育にも力を入れ、後進トレーナーの育成にも積極的に取り組んでいる。
区の行政事業における体操教室、トレーナー専門学校での学生教育、同業トレーナーへの指導、社内研修での講師など、教育・普及活動にも幅広く参加。
「根本改善・再発防止・パフォーマンス向上」を掲げ、身体の本質を見極める全身アプローチを信条に、多くの利用者が長く健康で動ける身体づくりをサポートしている。
この記事の監修者:鮫島 洋一(さめしま よういち)
保有資格:
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
- JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)
- NASMフィットネスエデュケーター
プロフィール:
メディカルトレーナーとして、甲子園大会や世界陸上など国内外のスポーツ現場に帯同。トップアスリートから成長期の学生アスリートまで、競技復帰・再発防止・パフォーマンス向上を見据えた施術・指導を行っている。
スポーツ障害に対する専門的な視点と、根本改善を重視した全身アプローチで、多くの競技者のサポートに携わってきた。
現在は江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」を運営し、地域の運動愛好家・学生アスリートからの信頼も厚い。また、トレーナー教育のための専門学校のコース長として教育の現場でも活躍している。









