寝違え後に首の痛みが続いた30代男性|筋緊張と姿勢を評価した症例
2026年09月13日

「寝違えてから数日たっても首の痛みが取れない」「首を動かしにくく、姿勢も気になる」と悩んでいませんか?
寝違えによる首の痛みは、一般的に数時間から数日で軽くなることもありますが、筋肉の緊張や首・肩甲骨・胸椎の動きなどが影響し、症状が長引く場合があります。日本整形外科学会「寝違え」
今回は、寝違えから3日経過しても首の痛みと動かしにくさが残っていた、30代男性の症例をご紹介します。
※本記事は個人の施術経過であり、すべての方に同様の変化を保証するものではありません。
症例概要
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年代・性別:30代・男性
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主な症状:寝違え後から続く首の痛み
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発症時期:来院3日前
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動作上の問題:首を左に向きにくい
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ご本人の希望:首の痛みを軽減し、姿勢を改善したい
本症例では、頚椎周囲の筋緊張を伴う頚部痛として、首だけでなく姿勢や胸郭、骨盤、股関節周囲まで確認しました。
来院時のお身体の状態
頭が前に出る姿勢と首の左回旋制限
立った姿勢では、頭部が身体より前に出る「フォワードヘッド」がみられました。
また、首から肩にかけての筋肉が緊張しやすく、姿勢を保つ深部の筋肉が働きにくくなる「上位交差性症候群」と考えられる特徴がありました。
首の動きを確認すると、特に左を向く回旋動作に制限がみられました。
ただし、姿勢が悪いから寝違えたと断定することはできません。睡眠中の姿勢、枕の高さ、疲労、筋緊張、胸椎や肩甲骨の動きなど、複数の要素が重なった可能性があります。
股関節と太ももの柔軟性低下
首以外の評価では、次の所見が確認されました。
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トーマステスト(腸腰筋など股関節前面の柔軟性を確認する検査):陽性。特に右側の制限が目立つ
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HBD(膝を曲げたときの踵とお尻の距離を測り、大腿四頭筋の柔軟性を確認する検査):左4横指・右3横指
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CAT(肩甲骨を固定して肩関節の動きを確認する検査):左陽性
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ハムストリングス、大腿四頭筋、腸腰筋に柔軟性低下
首の痛みに対して下半身まで確認するのは、骨盤や股関節の状態が体幹、胸椎、肩甲骨、首の姿勢へ連鎖的に影響する可能性があるためです。
股関節周囲の筋力
徒手筋力検査では、次の結果でした。
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腸腰筋:MMT3
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中臀筋:MMT3
MMT3は、重力に逆らって関節を動かせる一方、外から抵抗を加えると十分に保てない段階です。
股関節周囲の筋力が不足すると、立位や歩行時に骨盤を安定させにくくなります。ただし、この筋力低下だけを首の痛みの原因と判断することはできません。
身体の左右差
姿勢評価では、次の左右差がみられました。
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右脚が短く見えるアライメント
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左肩が下がった姿勢
ここでいう「右短下肢」は、骨そのものが短いと確定したものではなく、骨盤の傾きや筋緊張によって生じる見かけ上の脚長差を含みます。
評価から考えられたこと
今回の首の痛みには、寝違えをきっかけとした急性の筋緊張に加えて、次の身体的特徴が関係している可能性が考えられました。
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頭部が前方へ移動した姿勢
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斜角筋や胸鎖乳突筋など首周囲の緊張
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左肩関節・肩甲帯の動きにくさ
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胸椎の動きの不足
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骨盤の左右差
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股関節周囲の柔軟性と筋力の低下
特に頭が前に出た状態では、首周囲の筋肉が頭部を支えるために働き続けやすくなります。一方で、痛みの原因を姿勢だけに限定せず、症状の変化を確認しながら評価を進めることが重要です。
実施した施術
今回の評価結果をもとに、以下の施術と運動指導を行いました。
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骨盤周囲のアライメント調整
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腸腰筋・中臀筋・斜角筋へのハイボルト施術
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肩上部・胸鎖乳突筋への手技
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チンインの運動指導
チンインとは、顎を強く下へ引くのではなく、頭を後方へスライドさせるように動かす運動です。首の前側にある深部筋を働かせ、頭部を支える練習として指導しました。
施術後の変化
骨盤周囲への施術後、痛みの程度はPS3まで低下しました。PSとは、本人が感じる痛みの強さを数値化したものです。
さらに、ハイボルト施術後には次の変化が確認されました。
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首の痛みが軽減
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頚部可動域が拡大
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手技後に首から肩周囲の楽さを実感
一方、首を左へ向く動きには制限が残りました。無理に首だけを動かすのではなく、次回は胸椎の可動性も確認し、必要に応じてアプローチする方針としました。
今後の施術方針
今後は、痛みの変化と安全性を確認しながら、次の項目を段階的に進めます。
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頚部左回旋の再評価
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胸椎と肩甲骨の可動性改善
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チンインを含む頚部の運動
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骨盤と体幹の安定性向上
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腸腰筋・中臀筋の筋力改善
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日常生活や仕事中の姿勢指導
次回は施術に加えて、楽トレによる体幹筋機能の検査を予定しています。患者さんの最終的な目標である「姿勢改善」に向けて、施術だけに頼らず運動も組み合わせていきます。
同じような首の痛みでお悩みの方へ
寝違え後の首の痛みには、首周囲の筋緊張だけでなく、胸椎や肩甲骨の動き、日常的な姿勢、運動不足などが関係している場合があります。
ただし、痛みが強い時期に無理なストレッチや強いマッサージを行うと、かえって症状が悪化することがあります。まずは痛みの出方や可動域を確認し、身体の状態に合わせて対応することが大切です。
江東区・大島のサモーナスポーツ整骨院では、首だけを施術するのではなく、姿勢・関節可動域・筋力・柔軟性を含めて全身を評価し、施術と運動の方向性を検討しています。
医療機関の受診を優先したほうがよい症状
次の症状がある場合は、寝違えと自己判断せず、整形外科などの医療機関へご相談ください。
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腕や手の強いしびれ
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手や腕に力が入りにくい
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歩きにくさやふらつきがある
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発熱や強い頭痛を伴う
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転倒や交通事故後に痛みが出た
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痛みが急激に悪化している
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数日たっても改善せず、日常生活に大きく支障がある
腕のしびれや筋力低下を伴う場合には、神経への影響を確認する必要があります。日本脊椎脊髄病学会「首や腰の痛み、手足のしびれでお困りの方へ」
よくあるご質問
Q1.寝違えは何日くらいで治まりますか?
数時間から数日で軽くなることがありますが、経過には個人差があります。痛みが改善しない、悪化している、しびれや筋力低下を伴う場合は医療機関へご相談ください。
Q2.首が痛いときはストレッチしてもよいですか?
痛みを我慢して強く伸ばすことは避けましょう。痛みが増えない範囲でゆっくり動かし、強い痛みがある場合は専門家の評価を受けてください。
Q3.姿勢が悪いと寝違えやすくなりますか?
姿勢は関係する可能性がありますが、姿勢だけが原因とは限りません。睡眠環境、疲労、筋緊張、普段の活動量なども含めた評価が必要です。
Q4.なぜ首の痛みで骨盤や股関節も確認するのですか?
骨盤、体幹、胸椎、肩甲骨、首は連動して動くためです。下半身の状態が首の痛みを直接引き起こすと断定はできませんが、姿勢や動作の負担を考えるうえで重要な評価項目になります。
Q5.チンインは強く顎を引く運動ですか?
強くうつむく運動ではありません。目線を水平に保ち、頭を後方へ軽くスライドさせます。痛みやしびれが出る場合は中止してください。
Q6.施術だけで姿勢は改善できますか?
一時的に動きや筋緊張が変化しても、姿勢を支える筋力や日常の動作習慣が変わらなければ戻ることがあります。そのため、身体の状態に応じた運動や生活環境の見直しを組み合わせることが大切です。
Q7.一度楽になれば通院は必要ありませんか?
症状が軽くなっても可動域制限が残っている場合があります。継続の必要性は一律ではないため、痛み・動き・日常生活への影響を再評価して判断します。
※記事上では医学的な断定を避けるため、「頚椎症」ではなく「頚椎周囲の筋緊張を伴う頚部痛」と表現しています。頚椎症は通常、医師が症状や画像所見などを踏まえて診断する傷病名です。
この記事の執筆者:中澤 武士(なかざわ たけし)
保有資格:
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柔道整復師(国家資格)
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NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
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NASM-PES(パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト)
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中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
プロフィール:
スポーツ現場から医療分野まで幅広く携わる実践型トレーナー・施術者。
これまでに、大相撲の横綱をはじめとする幕内力士、新極真空手日本代表、プロボクサー、デフフットサル日本代表、競輪選手、実業団選手、市民ランナーなど多様な競技者をサポート。
施術による痛みの改善から競技復帰、さらにはパフォーマンス向上まで一貫したサポートを行うことを強みに、学生アスリートからトップ選手まで高い信頼を得ている。
現在は、江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」のエリアマネージャーとして、現場での施術・トレーニング指導に従事。スタッフ教育にも力を入れ、後進トレーナーの育成にも積極的に取り組んでいる。
区の行政事業における体操教室、トレーナー専門学校での学生教育、同業トレーナーへの指導、社内研修での講師など、教育・普及活動にも幅広く参加。
「根本改善・再発防止・パフォーマンス向上」を掲げ、身体の本質を見極める全身アプローチを信条に、多くの利用者が長く健康で動ける身体づくりをサポートしている。
この記事の監修者:鮫島 洋一(さめしま よういち)
保有資格:
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
- JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)
- NASMフィットネスエデュケーター
プロフィール:
メディカルトレーナーとして、甲子園大会や世界陸上など国内外のスポーツ現場に帯同。トップアスリートから成長期の学生アスリートまで、競技復帰・再発防止・パフォーマンス向上を見据えた施術・指導を行っている。
スポーツ障害に対する専門的な視点と、根本改善を重視した全身アプローチで、多くの競技者のサポートに携わってきた。
現在は江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」を運営し、地域の運動愛好家・学生アスリートからの信頼も厚い。また、トレーナー教育のための専門学校のコース長として教育の現場でも活躍している。









