ベンチプレスで肩が痛い!その原因と対処方法を解説!|トレーニング初心者必見
2025年02月7日
『ベンチプレスをすると肩に痛みが出る・・・』
『ベンチプレスをしたら肩の付け根に痛みが出た・・・』
『痛みを我慢してベンチプレスをしても大丈夫?』
このようにベンチプレスによって肩に痛みが出たり、肩の付け根に痛みが出て悩んでいるトレーニング愛好家の方も多いのではないでしょうか?
ベンチプレスは、大胸筋を中心に三角筋前部や上腕三頭筋などの筋肉を鍛えるのに非常に効率的なトレーニング種目です。
トレーニングを継続的に行うと、扱える重量が見てわかるぐらい増えてくるので、今までよりも重い重量を上げられた時はモチベーションが上がりますよね!
しかし、大胸筋のトレーニングメニューとして取り入れている人が多い反面、肩や肩の付け根を痛めてしまう方も少なくありません。
私自身も過去にベンチプレスによって肩を痛めてしまい、トレーニングを中断した期間がありました。
その経験や解剖学的、運動学的に原因を考えると、ベンチプレスによる肩・肩の付け根の痛みの原因は以下のようなものが考えられます。
- 肩に負担がかかりやすいフォームになっている
- 肩に炎症や腱の損傷などの外傷が起きている
代表的な原因として大きく2つに分けられますが、ベンチプレスによる肩の痛みを改善したい場合は、さらに細分化して原因を分析し、正しく痛みの状態を知る必要があります。
そして、その根本的な原因は人それぞれですので、自分に合っていない間違った理解や対処により、肩の痛みを悪化させるだけでなく、トレーニング復帰までの期間が長引いてしまうリスクがあります。
本記事では、痛みと体の専門家である柔道整復師とトレーニングの専門家であるNSCA-CSCSの資格を保有しているトレーナーが、ベンチプレスによる肩・肩の付け根の痛みについてわかりやすく解説させていただきます!
江東区大島駅、住吉駅にあるサモーナスポーツ整骨院は、パーソナルトレーニングジムと併設されており、治療家からの視点とトレーナーからの視点を組み合わせて、トレーニングによる痛みを即時的に改善し、問題のある動作まで改善することができるスポーツ整骨院です。
痛みを抱えていてどうしたらいいのかわからない!早くトレーニングを再開したい!という方は、こちらの記事を参考にしていただき、それでも解決できなさそうな場合は、お気軽に当スポーツ整骨院にご相談ください。
ベンチプレスの肩の痛み・肩の付け根の痛み|よくあるケース
ベンチプレスで肩の痛みや肩の付け根の痛みが生じるよくあるケースについして紹介します!
結論からお伝えすると、肩・肩の付け根に痛みが出てしまうのは、胸椎や肩甲胸郭関節、胸郭、の使い方が大きく関係しています。つまり、肩甲骨や背骨の使い方、肋骨のポジションなどが関係している可能性が高いです。
また、そもそも肩関節自体が非常に自由度の高い関節なので、ベンチプレスなどのフリーウエイトでは、肩の安定性を高める能力が必要とされます。その肩関節の安定性を高めるためにも胸椎や肩甲骨のポジションは非常に大切です。
【ポイント】
- そもそも肩関節自体が自由度が高くコントーロールしないと不安定
- ベンチプレスの動作には、肩関節だけでなく、肩甲胸郭関節、胸椎、胸郭、肘関節、股関節など様々な関節の機能が複合的に組み合わさっている。
- 初心者は大胸筋だけを意識してベンチプレスを行うのは危険
今回は、よりわかりやすく解説するために初心者に起こりやすいケースを中心にご紹介させていただきます!
初心者に起こりやすいケース
まずは、トレーニング初心者の人に起こりやすい「肩の痛みと肩の付け根の痛み」にご紹介させていただきます!
初心者の定義については、文献によって様々ですので、本記事ではトレーニングを始めて1年以内の方を初心者とさせていただきます。これまでの運動歴や身体活動歴、生活様式によってもトレーニング動作の習得スピードもことなりますので、あくまでも参考の期間として考えてください。
トレーニング初心者の人が肩の痛みが出る原因として考えられるのは、以下のようなものがあります。
- 肩に重量が乗ってしまい、ストレスが増えている
- バーベルを落とす位置が鎖骨付近になっている
- 胸椎ではなく、腰を無理に反ったブリッジになっている
- 胸郭が開いてしまっている
- 肩甲骨のセッティング(パッキング)ができていない(下制・後退)
- 腕で無理やり上げることを意識している
- 足底で地面を押せておらず、大臀筋収縮などに伴う骨盤のセッティングができていない
- そもそも、ベンチプレスをやってもいい姿勢アライメントではない(猫背・巻肩・頭部の前方移動・反り腰など)
少し細かい記載になってしまいましたが、肩や肩の付け根に痛みが生じないようにベンチプレスを行うためには、最低限、上記のようなことを改善することをお勧めします。
よく見受けられるフォームとしては、肩関節の外転角度が45°よりも外転してしまい、肩甲骨が上方回旋し、肩の関節に無理なストレスがかかった状態で、ベンチプレスを行っているフォームです。
ベンチプレスは「多関節」トレーニング、つまり様々な関節が相互に作用し合って実施するトレーニングです。先述したようなフォームで実施してしまうと、肩関節に対して多くのストレスがかかり、主に鍛えたい「大胸筋」に対して負荷をかけることが難しくなり、痛みにつながってしまいます。
最も簡単な表現をすると、バーの位置をバストトップよりもやや下ぐらいの位置にくるように意識すると、ストレスを軽減することができます。
【怪我です!】ベンチプレスの肩の痛み・肩の付け根の痛み|4つの原因
動作を改善した結果、痛みが解消された場合は「大きな原因」がフォームのエラーによる方へのストレスとして考えられます。しかし、何をしても痛みが改善しない場合やトレーニングをする時間以外にも痛みが出ている場合は「肩を怪我している」可能性が高いです。
こちらの章では、代表的な「肩の怪我を4つ」ご紹介させていただきます。
- 肩鎖関節炎
- インピンジメント症候群
- 腱版損傷・断裂
- 上腕二頭筋長頭腱炎
今回ご紹介させていただく「肩の怪我」に関しては、医療機関への受診、医療機関での治療が必要な緊急性の高いケースがあるので注意してください。
痛みに関しては「絶対に自己判断せずに」必ず専門家に相談しましょう。サモーナスポーツ整骨院は、近隣の整形外科と提携しているので、江東区大島駅や住吉駅周辺にお住まいの方はお気軽にご相談ください!
肩鎖関節炎
今回ご紹介させていただく「肩の怪我」で比較的多いのが肩鎖関節炎です。
肩鎖関節は、肩甲骨と鎖骨をつなぐ関節が、間違えたフォームのベンチプレスの繰り返しによって炎症を起こしてしまっている疾患です。
肩鎖関節炎は、肩鎖関節周囲炎とも呼ばれ、骨に異常が見られることはないですが、靭帯や周囲の筋肉に炎症が生じている状態です。
ベンチプレスでは、バーベルを持ち上げる際に「上腕骨が身体の中心に対して内側に移動」します。この動きを水平内転と呼びます。
水平内転の動作では、肩鎖関節に大きな摩擦ストレスが生じ、この動きを繰り返すことによって炎症が生じ痛みを引き起こしてしまいます。
バーベルを持ち上げた時や前方から反対の肩に手を回した時に痛みが生じる場合は、肩鎖関節炎の可能性があります。
基本的に安静にし、炎症がなくなれば痛みは消失しますが、適切なフォームでベンチプレスを行わないと再発のリスクが高くなります。
【肩鎖関節炎の特徴まとめ】
- 痛みは主に動作時や肩関節の水平内転時に生じる
- 肩鎖関節に押した時の痛みがある
- 主な治療方法は安静、痛み止めの薬、痛み止めの注射
- 正しいフォームを習得しないと痛みを繰り返す
インピンジメント症候群
肩のインピンジメント症候群は、上腕骨と肩甲骨の端っこにある「肩峰」という部分が繰り返しぶつかって炎症が生じてしまう疾患です。
ベンチプレスの動作は、手のひらを下に向けて(肩関節内旋位)で腕を前に出し、バーベルを握ります。このようなポジションは、そもそも「肩関節に負担がかかりやすい」トレーニング種目です。
同じ種目を行っていても、痛みが出る人と出ない人では以下のような理由が考えられます。
- トレーニングフォームの問題
- 手の平を下に向けて(肩関節内旋位)で腕を上げると肩の付け根に痛みが出る
- 日常生活の姿勢の問題(動き回っているのか、座っている時間が長いのか)
- 姿勢のアライメントの問題
腱板損傷・腱板断裂
腱板損傷・腱板断裂は、肩のインナーマッスルの怪我です。
肩関節を安定させて、スムーズに動かすためには、腱板筋群と呼ばれる4つの筋肉の働きが大切です。
- 棘上筋
- 棘下筋
- 肩甲下筋
- 小円筋
上記の筋肉が、過度な負荷や悪いトレーニングフォーム、高強度なトレーニングによって、損傷したり、断裂してしまうのが腱板損傷です。
ベンチプレスのフォームが不安定だったり、ベンチプレスの動作に慣れていない初心者の方が、扱う重量の設定を間違えてしまい、肩に対して急激に負荷がかかることで発症するケースが多いです。
トレーニング上級者の人でも、トレーニングのやりすぎやセルフケア不足、インピンジメント症候群から腱板損傷に移行する場合もあるので注意が必要です。
【特徴】
- 四十肩や五十肩などの肩関節周囲炎との鑑別が必要
- 使いすぎがいちばんの原因
- 腕を外転位にしてその状態を維持できなければ、腱板損傷の可能性あり
- 保存療法では、他の筋肉の機能を高める必要がある
- トレーニングフォームの修正が必要不可欠
上腕二頭筋長頭腱炎
上腕二頭筋長頭腱炎は、上腕二頭筋の長頭腱が上腕骨の溝において過度な摩擦ストレスが加わり、炎症が生じている状態です。
ベンチプレスでバーベルを下ろす動作を行う際、肘を後方に引く動作が伴います。この時に、肩の前方の組織が引き伸ばされ、上腕二頭筋の腱にもストレスが加わり発症します。また、猫背や巻き型の傾向にある人では、上腕二頭筋長頭腱に加わるストレスが増大し痛める可能性が高くなります。
デスクワークの時間が長い人がベンチプレスを行うには「より一層」注意が必要です。
バーベルを下ろす位置がバストトップよりも高く、鎖骨付近位なっていたり、ブリッジがうまくできていないなどの理由で上腕部分に力が入りやすくなってしまい、ストレスが増大します。
詳細に記載すると肩関節が」外転45°以上に開いてしまい、肩甲骨が安定するポジションでなくなりストレスが増大します。また、胸椎や胸郭の意識を意識しながらフォームを作る必要があるので、怪我のリスクを最大限に下げたい場合は、パーソナルトレーナーなどの専門家に必ず相談してください。
【特徴】
- 肩よりも手を上に上げると痛い
- 手の平を上にして、上から押された時に痛みが出る
- 炎症を抑えることが重要
- 猫背や巻肩の悪い姿勢によって痛めやすくなる
- 姿勢アライメントを整えることを視野に入れないと再発する
【超危険】ベンチプレスでの肩の痛み|すぐに医療機関へ
こちらの章では、「すぐに病院に行って受診すべきケース」について解説解説します。
以下のような症状がある場合はすぐに医療機関(整形外科)を受診しましょう!
- 痺れがあったり、腕に力が入らない
- 腫れがあったり、内出血がある
- 肩の付け根以外にもその周囲などに様々な痛みがある
- 物を持ったり、睡眠時、安静時にも激しい痛みがある(日常生活の中でも激しく痛みが出る)
ベンチプレスでの肩の痛みは、主な原因として「炎症によって引き起こされている場合が多い」です。
痛みを我慢して、受診のタイミングが遅れると、肩関節が固まってしまったり、力が入りにくくなってしまったり、肩関節の機能に左右差が出る可能性があるので要注意です。
上記の内容に当てはまらなくても、身体の健康が最優先ですので、念のため受診することをおすすめします。