サモーナスポーツ整骨院スタッフ スポーツ整体×骨盤矯正で痛みの根本から改善へ!

ラットプルダウンで左の背中が痛い原因|肩甲骨・体幹・骨盤から解説する症例

2026年08月12日

某大手パーソナルトレーニングジムで店長を務める、20代男性の症例です。

約1か月前から、ラットプルダウンを4セット以上行うと左の肩甲骨周辺から背部に痛みが出るようになり、大島駅前サモーナスポーツ整骨院へ来院されました。

日常生活では強い痛みはありませんが、一定以上のトレーニングボリュームになると症状が出現する状態です。

9月に開催されるボディコンテストへの出場を目標としており、トレーニングを休むのではなく、痛みの原因を確認しながら競技準備を継続したいというご希望がありました。

本症例は、単なる筋疲労ではなく、運動連鎖・神経筋制御・関節可動性の複合的な問題が関与している典型例と考えられます。特にトレーニング経験が豊富な方ほど、フォームの微細な崩れや身体機能のアンバランスが蓄積しやすく、結果として特定の動作でのみ痛みが出現するケースが少なくありません。

症状と評価結果|ラットプルダウン時の背部痛の特徴

主な症状|背中の痛みと肩甲骨の不安定感

  • ラットプルダウンを4セット以上行うと左背部が痛む
  • 左肩甲骨周辺に不安定感がある
  • 疲労が蓄積するほど肩甲骨をコントロールしにくい

既往歴として、腰椎分離症が疑われたことがあります。

この既往は、体幹安定性や腰椎-骨盤帯の機能低下を示唆し、今回の症状にも影響している可能性があります。特に体幹の安定性が低下すると、上半身の運動時に代償動作が起こりやすくなり、肩甲帯への負担が増加します。

姿勢・動作評価|肩甲骨と体幹のアンバランス

立位姿勢と動作を確認したところ、次の所見がみられました。

  • 体幹の右回旋制限
  • 左肩が高い(肩甲帯の挙上位)
  • 右骨盤が低い(骨盤の側方傾斜)
  • ラットプルダウン動作時の左肩甲骨のコントロール低下

肩甲骨は胸郭上を滑走する「浮遊関節」であり、前鋸筋・僧帽筋・菱形筋などの協調的な筋活動によって安定化されています。

この協調性が崩れると、肩甲骨の上方回旋・後傾・外旋といった正常運動が破綻し、肩関節や背部筋群に過剰なストレスが加わります。また、左右差がある場合は片側に負担が集中しやすく、今回のような片側性の痛みにつながります。

理学検査|神経・肩関節・肩甲帯のチェック

頚椎神経根症状の確認

  • ジャクソンテスト:陰性
  • スパーリングテスト:陰性

→ 神経根由来の放散痛の可能性は低いと判断

胸郭出口周辺の確認

  • アドソンテスト:陰性
  • ライトテスト:陽性

→ 鎖骨下スペースの狭小化や肩甲帯の位置異常が示唆されるが、単独では診断不可

肩関節・腱板の確認

  • ニアーテスト:陰性
  • ホーキンステスト:陰性
  • フルカンテスト:陰性
  • エンプティカンテスト:陰性

→ 腱板損傷やインピンジメントの関与は低い

肩甲帯の機能評価

  • 左エルボープッシュテスト:陽性
  • HFT:陽性
  • CAT:陽性

→ 肩甲骨安定性低下および体幹との連動不良が示唆される

筋肉の柔軟性・筋力評価|原因となる筋機能低下

タイトネステストでは、次の筋肉に柔軟性低下が確認されました。

  • 大腿直筋(骨盤前傾・腰椎伸展ストレス増加)
  • 広背筋(肩関節屈曲制限・代償動作誘発)

徒手筋力検査では以下の筋機能低下が確認されました。

  • 右腸腰筋(体幹安定性低下)
  • 左中殿筋(骨盤制御低下)
  • 左前鋸筋(肩甲骨安定性低下)

特に前鋸筋は、肩甲骨の外転・上方回旋・後傾に関与する重要筋であり、その機能低下は肩甲骨ジスキネジアの主要因となります。

ラットプルダウンで背中が痛くなる原因|3つの重要ポイント

1.肩甲骨の安定性低下|前鋸筋と僧帽筋の協調不全

ラットプルダウンでは、広背筋単独ではなく、

  • 前鋸筋(肩甲骨固定)
  • 僧帽筋下部(下制・後傾)
  • 僧帽筋中部(内転)

などの協調的活動が必要です。

前鋸筋の機能低下により肩甲骨が胸郭から浮きやすくなり、結果として僧帽筋上部や肩甲挙筋が過剰に活動し、疼痛を誘発します。特に高重量・高回数のトレーニングでは、このアンバランスが顕著になります。

2.胸椎・胸郭の可動性低下|運動連鎖の破綻

胸椎の伸展・回旋制限があると、

  • 肩関節の可動域不足
  • 肩甲骨の代償運動増加
  • 広背筋の過活動

が生じます。

今回の症例では右回旋制限があり、左右非対称な負荷が肩甲帯に集中していました。胸椎の柔軟性は見落とされがちですが、上半身の動作効率に大きく関与する重要な要素です。

3.骨盤・股関節の機能低下|力の伝達効率の低下

ラットプルダウンは上半身の運動に見えますが、

  • 骨盤の安定
  • 体幹の固定
  • 股関節の支持

が重要です。

右腸腰筋と左中殿筋の機能低下により、

  • 骨盤の不安定化
  • 体幹回旋制御低下
  • 上肢への力伝達不良

が起こり、結果として左肩甲帯に負担が集中していました。全身の連動が崩れることで、局所的な痛みとして現れる典型例です。

施術内容|肩甲骨だけでなく全身からアプローチ

骨盤・体幹への施術|土台の安定性改善

  • 骨盤矯正(アライメント修正)
  • 右腸腰筋へのハイボルト施術(神経筋促通)

施術後、体幹回旋可動域と肩甲骨運動が改善しました。土台となる骨盤と体幹を整えることで、上半身の動きもスムーズになります。

頚椎・胸椎・肩甲帯への施術|動きと筋機能の改善

  • 頚椎・胸椎へのハイボルト施術
  • 僧帽筋・肩甲挙筋への筋緊張抑制
  • 前鋸筋・僧帽筋下部への促通
  • 肩甲骨はがし(滑走改善)

これにより、

  • 肩甲骨の後傾・下制が改善
  • ラットプルダウン動作の効率向上
  • 左右差の軽減

が確認されました。

施術後の変化|ラットプルダウン動作の改善

  • 体幹の右回旋可動域が改善
  • 左肩甲骨の運動制御が向上
  • ラットプルダウンでの引き動作がスムーズに
  • 疼痛の再現性が低下

ただし、神経筋制御の再学習には継続的な介入が必要です。施術だけでなく、適切なトレーニングとセルフケアの併用が重要になります。

今後のトレーニング方針|痛みを悪化させない方法

  • 痛み出現前にセット終了
  • 一時的な負荷軽減
  • 肩甲骨の下制・後傾を意識
  • 可動域内でのコントロール重視
  • 胸椎過伸展の抑制
  • 上部僧帽筋の過活動抑制
  • 前鋸筋・体幹トレーニング導入

段階的負荷進行(プログレッシブオーバーロード)を適切に管理することが重要です。無理に重量を追うのではなく、動作の質を優先することが回復への近道となります。

ラットプルダウンで背中が痛い方へ|チェックポイント

  • セット後半で片側のみ痛む
  • 左右差がある
  • 肩がすくむ
  • 背中に効かない
  • フォームが崩れる
  • 肩甲骨が浮く(翼状肩甲)

これらは肩甲骨機能障害のサインです。

※しびれや強い痛みがある場合は医療機関を受診してください。

当スポーツ整骨院の治療方針|トレーニング動作まで評価する整骨院

当整骨院院では、

姿勢 → 可動域 → 筋力 → 理学検査 → 動作分析 → 再評価

のプロセスで原因を特定します。

単なる疼痛除去ではなく、

  • 動作改善
  • 再発予防
  • パフォーマンス向上

までを包括的にサポートします。トレーニングを継続しながら改善したい方にとって、実践的なサポートを提供しています。

症例情報

年齢・性別: 20代男性
職業: パーソナルトレーナー
症状: ラットプルダウン時の左背部痛
施術内容: 骨盤矯正・ハイボルト・肩甲骨はがし
目標: ボディコンテスト出場
方針: 肩甲骨安定性と体幹機能の改善

よくある質問(FAQ)|ラットプルダウンの背中の痛みについて

Q1. ラットプルダウンで背中が痛いのは筋肉痛ですか?

軽度の遅発性筋肉痛(DOMS)の可能性もありますが、片側性・鋭い痛み・動作依存性の疼痛は機能障害の可能性が高いです。

Q2. 痛みがあってもトレーニングは続けていいですか?

疼痛閾値を超える負荷は避け、痛みの出ない範囲での運動に調整する必要があります。無理な継続は慢性化のリスクを高めます。

Q3. 肩甲骨がうまく動かない原因は何ですか?

前鋸筋・僧帽筋の筋力低下、胸椎可動性低下、体幹安定性不足など複合的要因が関与します。

Q4. フォームを意識すれば改善しますか?

フォーム修正だけでは不十分であり、筋機能・可動域・神経制御の改善が必要です。

Q5. どのタイミングで整骨院や医療機関に行くべきですか?

疼痛の持続、左右差、しびれ、筋力低下がある場合は早期受診が推奨されます。

この記事の執筆者:中澤 武士(なかざわ たけし)

保有資格:

  • 柔道整復師(国家資格)

  • NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)

  • NASM-PES(パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト)

  • 中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)

プロフィール:

スポーツ現場から医療分野まで幅広く携わる実践型トレーナー・施術者。

これまでに、大相撲の横綱をはじめとする幕内力士、新極真空手日本代表、プロボクサー、デフフットサル日本代表、競輪選手、実業団選手、市民ランナーなど多様な競技者をサポート。

施術による痛みの改善から競技復帰、さらにはパフォーマンス向上まで一貫したサポートを行うことを強みに、学生アスリートからトップ選手まで高い信頼を得ている。

現在は、江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」のエリアマネージャーとして、現場での施術・トレーニング指導に従事。スタッフ教育にも力を入れ、後進トレーナーの育成にも積極的に取り組んでいる。

区の行政事業における体操教室、トレーナー専門学校での学生教育、同業トレーナーへの指導、社内研修での講師など、教育・普及活動にも幅広く参加。

「根本改善・再発防止・パフォーマンス向上」を掲げ、身体の本質を見極める全身アプローチを信条に、多くの利用者が長く健康で動ける身体づくりをサポートしている。

この記事の監修者:鮫島 洋一(さめしま よういち)

保有資格:

  • 柔道整復師(国家資格)
  • 鍼灸師(国家資格)
  • あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
  • JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)
  • NASMフィットネスエデュケーター

プロフィール:

メディカルトレーナーとして、甲子園大会や世界陸上など国内外のスポーツ現場に帯同。トップアスリートから成長期の学生アスリートまで、競技復帰・再発防止・パフォーマンス向上を見据えた施術・指導を行っている。

スポーツ障害に対する専門的な視点と、根本改善を重視した全身アプローチで、多くの競技者のサポートに携わってきた。

現在は江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」を運営し、地域の運動愛好家・学生アスリートからの信頼も厚い。また、トレーナー教育のための専門学校のコース長として教育の現場でも活躍している。