坐骨神経痛は何科に行くべき?ヘルニアとの違い・正しい治療の選び方を専門家が解説
2026年01月8日
お尻から太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれが出ると、「坐骨神経痛かもしれない」「ヘルニアではないだろうか」と不安になる方は多いのではないでしょうか。脚に症状が出ると、日常生活や仕事にも支障が出やすく、早く何とかしたいと感じるのは自然なことです。
実際、坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアは症状がよく似ているため混同されがちですが、両者はまったく同じものではありません。坐骨神経痛は「症状の総称」であり、ヘルニアはその原因の一つに過ぎないケースも多くあります。
この違いを正しく理解することが、「何科に行くべきか」「どんな治療や施術が自分に合っているのか」を判断する重要な手がかりになります。
本記事では、坐骨神経痛とヘルニアの違い、症状の見分け方、受診先の選び方、そして整骨院でどのようなアプローチが行われるのかを、専門的な視点から分かりやすく解説します。今の症状にどう向き合えばよいのか、迷っている方はぜひ最後までご覧ください。
第1章|坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアは何が違うのか
― 混同されやすい2つの症状を正しく理解する ―
お尻から脚にかけて痛みやしびれが出たとき、多くの方がまず思い浮かべるのが「坐骨神経痛」や「腰椎椎間板ヘルニア」ではないでしょうか。実際、この2つは症状が非常によく似ているため、同じものだと思われがちです。しかし、医学的・構造的に見ると、両者は明確に異なる概念です。この違いを理解することは、適切な受診先や治療方針を選ぶうえで非常に重要になります。
「坐骨神経痛」とは病名ではない
まず押さえておきたいのが、坐骨神経痛は病名ではなく、症状の呼び方であるという点です。
坐骨神経痛とは、坐骨神経の走行に沿って現れる痛みやしびれ、違和感などを総称した言葉です。
坐骨神経の走行と症状の特徴
坐骨神経は、腰椎から出た神経根が集まり、骨盤を通ってお尻の奥を走行し、太ももの裏からふくらはぎ、足先へと伸びています。人体の中でも最も太く、長い神経のひとつです。
この神経がどこかで圧迫されたり、過度なストレスを受けたりすると、以下のような症状が現れます。
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お尻から太もも、ふくらはぎにかけての痛み
-
電気が走るような鋭い痛み
-
ピリピリ、ジンジンとしたしびれ
-
脚の重だるさや感覚の鈍さ
これらの症状が出ている状態をまとめて「坐骨神経痛」と呼んでいるのです。
腰椎椎間板ヘルニアは「原因のひとつ」
一方、腰椎椎間板ヘルニアは、坐骨神経痛とは異なり、**明確な診断名(病名)**です。
坐骨神経痛を引き起こす原因のひとつとして知られていますが、必ずしも全ての坐骨神経痛がヘルニアによるものではありません。
椎間板の構造とヘルニアの仕組み
腰椎の椎間板は、背骨同士の間でクッションの役割を果たしています。外側の「線維輪」と内側の「髄核」という構造をしており、日常動作の衝撃を吸収しています。
長時間の座り姿勢や前かがみ動作、重い物を持つ動作が繰り返されると、線維輪が弱くなり、内部の髄核が外へ飛び出すことがあります。これが腰椎椎間板ヘルニアです。
ヘルニアによって坐骨神経痛が起こる流れ
飛び出した髄核が腰椎の神経根を圧迫すると、その先につながる坐骨神経の領域に痛みやしびれが出ます。
つまり、
腰椎椎間板ヘルニア → 神経根の圧迫 → 坐骨神経痛の症状
という関係が成り立ちます。
このため、「坐骨神経痛=ヘルニア」と誤解されやすいのです。
坐骨神経痛=ヘルニアではない理由
臨床の現場では、「ヘルニアはないと言われたが、坐骨神経痛の症状が続いている」という方が少なくありません。ここに、両者を混同してはいけない理由があります。
坐骨神経は腰以外でも影響を受ける
坐骨神経は、腰椎だけでなく、次のような部位でも影響を受けます。
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お尻の深部にある筋肉(梨状筋など)
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骨盤の傾きや左右差
-
股関節の動きの悪さ
-
太もも裏の筋緊張や筋膜の硬さ
これらが原因の場合、MRIなどの画像検査では「異常なし」と判断されることもありますが、本人の痛みやしびれは確かに存在します。
画像所見と症状は一致しないことも多い
画像検査は非常に有用ですが、写るのは主に骨や椎間板などの構造です。
筋肉の緊張、関節の動き、姿勢や動作のクセといった機能的な問題は画像には映りません。そのため、画像だけで原因を判断するのは不十分なケースも多いのです。
違いを理解することが改善への第一歩
坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアの違いを正しく理解することで、「何科に行くべきか」「どんな治療や施術が必要か」が見えてきます。
やみくもに不安になるのではなく、症状の背景を整理することが、改善への最短ルートです。
第1章のまとめ
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坐骨神経痛は症状の総称であり、病名ではない
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腰椎椎間板ヘルニアは坐骨神経痛の原因のひとつ
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すべての坐骨神経痛がヘルニアによるものではない
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原因を正しく見極めることが、受診先選びと改善につながる
次章では、症状の出方や身体の反応から、両者を見分けるポイントについて、さらに詳しく解説していきます。
第2章|症状の出方で見分ける
― 坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアの判断ポイント ―
第1章では、坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアの「定義」と「構造的な違い」について解説しました。しかし、実際に患者さんが悩むのは、「結局、自分のこの痛みはどちらなのか?」という点です。この章では、症状の出方・痛みの特徴・身体の反応といった臨床的な視点から、両者を見分けるための考え方を詳しく整理していきます。
痛みやしびれの「出方」は重要な手がかりになる
坐骨神経痛も腰椎椎間板ヘルニアも、脚に痛みやしびれが出る点は共通しています。しかし、よく観察するとその「出方」には違いがあります。ここを丁寧に見ていくことで、原因をある程度絞り込むことが可能です。
腰椎椎間板ヘルニアが疑われやすい症状の特徴
腰椎椎間板ヘルニアが原因の場合、神経根が直接圧迫されるため、神経学的な症状が比較的はっきり出やすい傾向があります。
代表的な特徴は以下のとおりです。
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片脚に強い痛み・しびれが集中する
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腰を前に曲げると痛みが強くなる
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咳やくしゃみ、いきむ動作で痛みが響く
-
足に力が入りにくい、感覚が鈍い
-
安静にしていても症状が続くことがある
特に、「力が入りにくい」「感覚が左右で明らかに違う」といった症状は、神経根レベルでの圧迫を示唆する重要なサインです。このような場合は、まず整形外科での画像検査が必要になります。
動作や姿勢による変化がヒントになる
次に注目すべきなのが、「身体をどう動かしたときに症状が変化するか」という点です。これは、構造的な問題か、機能的な問題かを見極めるうえで非常に重要です。
坐骨神経痛(非ヘルニア性)に多いパターン
筋肉や関節、姿勢が主な原因となる坐骨神経痛では、動作や姿勢によって症状が大きく変化することが多く見られます。
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長時間座ると痛みやしびれが強くなる
-
立ち上がると少し楽になる
-
歩いていると徐々に和らぐ
-
姿勢を変えると痛みの位置や強さが変わる
このような場合、坐骨神経が「腰以外の部位(お尻・骨盤・股関節など)」で影響を受けている可能性が高く、筋緊張や姿勢バランスの問題が関与しているケースが多いです。
痛みの「始まり方」と「経過」も重要な判断材料
症状がいつ、どのように始まったかという情報も、原因を考えるうえで欠かせません。
急激に始まった痛みと慢性的に続く痛みの違い
腰椎椎間板ヘルニアの場合、
-
重い物を持った
-
前かがみの姿勢を続けた
-
朝起きたら急に痛くなった
といったように、比較的はっきりしたきっかけがあることが多いです。
一方で、坐骨神経痛(特に筋・姿勢由来)の場合は、
-
いつの間にか違和感が出てきた
-
徐々に痛みやしびれが強くなった
-
良くなったり悪くなったりを繰り返す
といった、慢性的で波のある経過をたどることが多く見られます。
検査で「異常なし」と言われた場合の考え方
整形外科でレントゲンやMRIを撮り、「特に問題はありません」と言われたにもかかわらず、症状が続いている方も少なくありません。この場合、見落とされやすい視点があります。
画像に写らない原因は少なくない
画像検査は非常に有用ですが、
-
筋肉の硬さ
-
筋膜の癒着
-
関節の動きの悪さ
-
姿勢や動作のクセ
といった機能的な問題は、基本的に画像には写りません。
そのため、「異常なし=問題なし」ではなく、「構造的な大きな異常は見つからなかった」と捉えることが重要です。こうしたケースでは、整骨院での身体評価が有効になります。
自己判断が危険になるケースもある
症状の特徴からある程度の予測はできますが、すべてを自己判断で決めてしまうのは危険です。
早めに医療機関を受診すべきサイン
次のような症状がある場合は、坐骨神経痛かどうかに関わらず、速やかな医療機関受診が必要です。
-
痛みやしびれが急速に悪化している
-
足の力が明らかに弱くなってきた
-
排尿・排便のコントロールがしづらい
-
安静にしていても強い痛みが続く
これらは、神経への強い圧迫や重篤な状態が隠れている可能性があります。
第2章のまとめ
第2章では、症状の出方や身体の反応から、坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアを見分けるための考え方を解説しました。
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痛みやしびれの出方には一定の傾向がある
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動作や姿勢による変化は重要な判断材料
-
画像で異常がなくても原因が存在することは多い
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自己判断せず、必要に応じて専門家に相談することが大切
次章では、「では実際に、どこを受診すればいいのか」
整形外科と整骨院の役割の違いを、より具体的に解説していきます。
坐骨神経痛・ヘルニアの疑いがあるとき
― 何科に行くべきか?整形外科と整骨院の正しい使い分け ―
第2章では、症状の出方や身体の反応から、坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアを見分ける考え方について解説しました。ここまで読み進めた方の多くは、「自分はどちらの可能性が高そうか、なんとなく分かってきた」と感じているかもしれません。
しかし次に立ちはだかるのが、「では実際に、どこへ行けばいいのか?」 という問題です。この章では、整形外科と整骨院それぞれの役割を整理しながら、症状に応じた正しい受診先の考え方を詳しく解説します。
まず知っておきたい「整形外科」と「整骨院」の役割の違い
坐骨神経痛やヘルニアの症状が出たとき、整形外科と整骨院のどちらを選ぶべきか迷う方は非常に多いです。結論から言えば、両者は対立する存在ではなく、役割が明確に異なる専門機関です。
整形外科の役割:診断と医学的リスク管理
整形外科の最大の役割は、画像検査や神経学的評価によって「重大な疾患が隠れていないか」を確認することです。
具体的には、以下のような点を評価します。
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レントゲン・MRIによる骨・椎間板・神経の状態確認
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腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、骨折、腫瘍などの鑑別
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筋力低下や感覚障害などの神経学的異常の有無
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薬物療法や注射、手術が必要かどうかの判断
特に、痛みやしびれが強い場合や、進行性の神経症状がある場合には、整形外科での評価が最優先となります。
整形外科を優先すべき症状・状況とは?
「まず整形外科」と言われても、どの程度で受診すべきか迷う方も多いでしょう。以下のような症状がある場合は、自己判断せず、早めに整形外科を受診することが重要です。
整形外科受診が強く勧められるケース
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安静にしていても強い痛みが続く
-
片脚のしびれや脱力が明らかに進行している
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足に力が入らず、つまずきやすくなった
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排尿・排便の異常が出てきた
-
急激に症状が悪化した
これらは、神経根が強く圧迫されている、あるいは緊急性の高い状態が隠れている可能性があるため、整骨院よりも医療機関での評価が不可欠です。
「異常なし」と言われた後に考えるべきこと
整形外科を受診し、画像検査を受けた結果、
「ヘルニアはあるが手術の必要はない」
「特に大きな異常は見当たらない」
と言われたにもかかわらず、痛みやしびれが続くケースは決して少なくありません。
画像に写らない問題が症状を引き起こすことも多い
画像検査は非常に有用ですが、次のような要素は基本的に画像では評価できません。
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筋肉の過緊張や左右差
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筋膜の癒着や滑走不全
-
骨盤や股関節の動きの悪さ
-
姿勢や日常動作のクセ
これらは機能的な問題と呼ばれ、坐骨神経に間接的なストレスを与える大きな要因となります。このような場合、整形外科の検査だけでは改善に至らず、別の視点からのアプローチが必要になります。
整骨院が力を発揮する場面とは?
整骨院の役割は、筋肉・関節・姿勢・動作といった「身体の使い方」そのものを評価し、整えることです。
特に、次のようなケースでは整骨院での施術が有効です。
整骨院での評価・施術が適しているケース
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動作や姿勢で痛みが変化する
-
長時間座ると症状が強くなる
-
歩くと徐々に楽になる
-
検査では大きな異常がなかった
-
痛みを繰り返している(再発型)
これらの場合、坐骨神経が腰以外の部位(お尻・骨盤・股関節・太ももなど)で影響を受けている可能性が高く、筋膜リリース、骨盤調整、ハイボルト治療、リハビリトレーニングなどの機能改善アプローチが重要になります。
整形外科と整骨院は「併用」が理想的
坐骨神経痛やヘルニアの改善において、よくある誤解が
「病院か、整骨院か、どちらか一方を選ばなければならない」
という考え方です。実際には、両者を適切に併用することが最も合理的です。
理想的な受診・改善の流れ
-
整形外科で診断・リスク評価を行う
-
手術や緊急処置が不要であることを確認
-
整骨院で身体機能の評価と施術を受ける
-
痛みの軽減+再発予防のためのリハビリを進める
この流れを取ることで、不要な不安を減らしながら、最短距離での改善を目指すことができます。
第3章のまとめ
第3章では、「何科に行けばいいのか」という多くの方が抱える疑問について整理しました。
-
整形外科は「診断と医学的安全確認」の役割
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整骨院は「身体機能の改善と再発予防」の役割
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症状によって優先順位は変わる
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両者を併用することで改善効率は高まる
次章では、整骨院では具体的にどのような施術が行われ、なぜ坐骨神経痛の改善につながるのかを、施術内容と身体への作用という観点から詳しく解説していきます。
第4章|整骨院では何をするのか?
― 坐骨神経痛に対する専門的アプローチと改善の考え方 ―
第3章では、整形外科と整骨院の役割の違い、そして併用の重要性について解説しました。ここまで読み進めてきた方の中には、「整骨院が大切なのは分かったけれど、実際には何をされるのかよく分からない」「マッサージだけではないの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
第4章では、整骨院における坐骨神経痛への専門的アプローチについて、評価から施術、再発予防までを体系的に解説します。
整骨院で最も重視されるのは「原因の見極め」
整骨院での施術は、いきなり痛いところを揉んだり電気を当てたりするものではありません。まず行われるのが、症状の背景にある本当の原因を見極めるための評価です。
痛みの場所ではなく「なぜそこに負担がかかっているか」を見る
坐骨神経痛の場合、痛みやしびれはお尻や脚に出ていても、原因がそこにあるとは限りません。整骨院では以下のような視点で身体を評価します。
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骨盤の傾きや左右差
-
腰椎・股関節の可動域
-
お尻・太もも裏の筋緊張の状態
-
立ち方・座り方・歩き方などの動作パターン
この評価によって、「坐骨神経がどこで、どのようにストレスを受けているか」を明確にし、施術の方向性を決定します。
坐骨神経痛に対する代表的な施術アプローチ
原因が明確になったら、症状や身体の状態に応じて施術が組み立てられます。坐骨神経痛は一つの方法で改善するものではなく、複数のアプローチを組み合わせることが重要です。
筋膜リリース・深層筋アプローチ
坐骨神経は、お尻の深部(梨状筋周辺)や太もも裏の筋肉の近くを走行しています。これらの筋肉が硬くなると、神経が圧迫・刺激されやすくなります。
筋膜リリースや深層筋へのアプローチでは、
-
筋肉の過緊張を緩める
-
神経の通り道を広げる
-
血流を改善する
といった効果が期待でき、しびれや重だるさの軽減につながります。
ハイボルト治療による神経・深部組織へのアプローチ
坐骨神経痛で痛みが強い場合や、急性期で動くのがつらい場合に有効なのが**ハイボルト治療(高電圧電気刺激療法)**です。
ハイボルト治療の特徴と役割
ハイボルト治療は、通常の低周波治療とは異なり、高電圧・低周波の電気刺激を用いて深部の筋肉や神経にアプローチします。
主な目的は以下のとおりです。
-
神経の過剰な興奮を抑える
-
深層筋の緊張を素早く緩める
-
痛みの原因部位を特定する補助として使う
特に、「動かすと強く痛む」「触れるだけでつらい」といった時期には、ハイボルト治療が症状改善のきっかけになることが多く、手技療法と組み合わせることで効果が高まります。
骨盤・姿勢の調整がなぜ重要なのか
坐骨神経痛を繰り返す方の多くに共通しているのが、骨盤や姿勢のアンバランスです。痛みが一時的に引いても、身体の使い方が変わらなければ再発しやすくなります。
骨盤のゆがみが坐骨神経に与える影響
骨盤が前後・左右に傾くと、
-
腰椎にかかる負担が増える
-
お尻の筋肉が常に緊張する
-
坐骨神経の走行にストレスがかかる
といった悪循環が生まれます。
整骨院では、過度な力を使わない安全な調整を行い、神経に負担がかかりにくい姿勢へと導くことを目的とします。
リハビリ・トレーニングによる再発予防
坐骨神経痛の改善で見落とされがちなのが、「痛みが引いた後」のケアです。整骨院では、再発を防ぐためのリハビリやトレーニングも重視します。
体幹・股関節機能の回復がカギ
坐骨神経痛を繰り返す背景には、
-
体幹の安定性不足
-
股関節の動きの悪さ
-
腰やお尻に頼った動作
が隠れていることが多くあります。
そのため、
-
体幹を支えるインナーマッスルの活性化
-
股関節を正しく使うための運動
-
日常動作のクセ修正
を段階的に行い、「痛みが出にくい身体づくり」を目指します。
第4章のまとめ
第4章では、整骨院で行われる坐骨神経痛への専門的アプローチについて解説しました。
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整骨院ではまず原因の評価を重視する
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筋肉・筋膜・神経への多角的な施術を行う
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ハイボルト治療は強い痛みへの有効な手段
-
姿勢調整とリハビリが再発予防の鍵になる
次章では、整骨院での施術がどのような流れで進むのか、実際の改善プロセスについて詳しく解説していきます。初めて整骨院を利用する方でも、安心してイメージできる内容をお伝えします。
第5章|整骨院での施術の流れと改善までのプロセス
― 初めてでも安心できる、坐骨神経痛改善のステップ ―
第4章では、整骨院で行われる坐骨神経痛への専門的な施術内容について解説しました。しかし実際に来院を検討している方にとっては、「どんな順番で進むのか」「どれくらいで変化を感じるのか」「通院のイメージが湧かない」といった不安も多いはずです。
第5章では、整骨院における一般的な施術の流れと、坐骨神経痛が改善していく過程を時系列で詳しく解説します。
初回は「施術」よりも「評価」が最優先
整骨院での坐骨神経痛対応は、初回からいきなり強い施術を行うことはほとんどありません。最も重視されるのは、症状の背景を正確に把握するための評価です。
丁寧な問診で症状の全体像を把握する
まず行われるのが問診です。ここでは、単に「どこが痛いか」だけでなく、次のような点まで詳しく確認します。
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痛みやしびれが出始めた時期ときっかけ
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症状が強くなる姿勢・動作
-
日常生活や仕事での身体の使い方
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過去のケガや腰痛歴、ヘルニアの診断歴
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整形外科での検査・治療歴
この情報が、坐骨神経痛の原因が「構造的な問題」なのか、「機能的な問題」なのかを見極める重要な材料になります。
身体評価・動作チェックで原因を絞り込む
問診の次に行われるのが、実際に身体を動かしながら行う評価です。ここが整骨院の専門性が最も発揮されるポイントと言えます。
姿勢・可動域・筋緊張を多角的に確認
評価では、以下のような点を総合的にチェックします。
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立位・座位での姿勢バランス
-
腰椎・股関節・骨盤の可動域
-
お尻や太もも裏の筋肉の硬さ
-
左右差や動作時の代償動作
これにより、「坐骨神経がどの位置で、どのように負担を受けているか」を具体的に把握し、施術の優先順位を決定します。
痛みが強い時期は「負担を減らす施術」が中心
坐骨神経痛の初期や痛みが強い時期には、無理に動かしたり鍛えたりすることは行いません。まずは、神経への刺激を減らし、症状を落ち着かせることが目的になります。
ハイボルト治療や手技で神経の興奮を抑える
この段階では、
-
ハイボルト治療による神経興奮の抑制
-
筋膜リリースや深層筋アプローチによる緊張緩和
-
骨盤や関節の負担を減らす調整
などを中心に行います。
多くの方がこの段階で、「脚のしびれが軽くなった」「立ち上がりが楽になった」といった変化を感じ始めます。
症状が落ち着いたら「動ける身体」への移行
痛みやしびれが軽減してきたら、施術の目的は次の段階へ進みます。それは、再発しにくい身体をつくることです。
体幹・股関節を中心としたリハビリ
このフェーズでは、
-
体幹の安定性を高めるトレーニング
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股関節を正しく使うための運動
-
腰やお尻に負担を集中させない動作練習
を段階的に行います。
ここを飛ばしてしまうと、一時的に良くなっても、同じ動作や姿勢で再び坐骨神経痛を繰り返してしまいます。
通院頻度と改善までの目安
坐骨神経痛の改善スピードは、症状の強さや期間、生活習慣によって異なりますが、一定の目安はあります。
改善までの一般的な流れ
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急性期(強い痛み):1〜3回で変化を感じることが多い
-
回復期:2〜4週間で日常動作が楽になる
-
安定期・再発予防期:1〜2か月で再発しにくい状態へ
この期間中、症状の変化に応じて施術内容や通院頻度は調整されます。
整骨院と二人三脚で進めることが改善の近道
坐骨神経痛の改善は、施術を受けるだけで完結するものではありません。日常生活での姿勢や動作、セルフケアの意識も非常に重要です。
生活指導・セルフケアが結果を左右する
整骨院では、
-
座り方・立ち方の注意点
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自宅でできる簡単なストレッチや運動
-
痛みを悪化させにくい生活習慣
についても具体的にアドバイスを行います。
これらを実践することで、施術効果が高まり、改善までの期間も短縮されます。
第5章のまとめ
第5章では、整骨院での施術の流れと、坐骨神経痛が改善していくプロセスについて解説しました。
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初回は評価を重視し、原因を明確にする
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痛みが強い時期は神経への負担軽減が優先
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症状が落ち着いたらリハビリで再発予防
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施術と生活改善を組み合わせることが重要
第6章|まとめ
― 坐骨神経痛と正しく向き合い、最短で改善を目指すために ―
本記事では、坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアの違いから始まり、症状の見分け方、受診先の選び方、そして整骨院での具体的な施術内容や改善までの流れについて詳しく解説してきました。第6章では、これまでの内容を整理しながら、坐骨神経痛と向き合ううえで大切な考え方を改めてまとめていきます。
坐骨神経痛は「原因を見極めること」が何より重要
坐骨神経痛は、ひとつの病名ではなく「症状の総称」であるため、なぜ坐骨神経が刺激されているのかを正しく見極めることが改善の出発点となります。
腰椎椎間板ヘルニアが原因となるケースもあれば、筋肉の緊張や骨盤のゆがみ、姿勢や動作のクセが関与しているケースもあります。
そのため、「脚が痛い=ヘルニア」と決めつけてしまうと、本来必要なアプローチを見逃してしまい、改善までに時間がかかることがあります。症状の出方や経過、動作との関係を丁寧に確認することが、遠回りしないための第一歩です。
整形外科と整骨院は役割が違い、どちらも重要
坐骨神経痛に対しては、整形外科と整骨院のどちらが正しいかではなく、それぞれの役割を理解して使い分けることが大切です。
整形外科は、
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画像検査による診断
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重篤な疾患の除外
-
薬物療法や医学的判断
を担う場所です。
一方、整骨院は、
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筋肉・関節・姿勢・動作の評価
-
神経に負担をかけている身体の使い方の改善
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再発を防ぐためのリハビリやトレーニング
を得意としています。
多くの場合、整形外科で診断を受けたうえで、整骨院で身体機能を整えていく流れが、安心かつ効率的な改善につながります。
「痛みが引いた=治った」ではない理由
坐骨神経痛は、痛みやしびれが一時的に軽くなることがあります。しかし、それは必ずしも根本的に解決した状態とは限りません。
身体の使い方や姿勢、筋力バランスが変わらないままでは、同じ負担が再び神経にかかり、症状を繰り返してしまうことが少なくありません。
そのため、整骨院での施術では、
-
痛みを抑える段階
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身体の動きを整える段階
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再発を防ぐためのトレーニング段階
というように、段階的な改善プロセスを踏むことが重要になります。
早めの相談が「改善までの近道」になる
坐骨神経痛は、「そのうち良くなるだろう」と我慢してしまう方が多い症状のひとつです。しかし、症状を抱えたまま無理を続けると、神経が過敏な状態になり、慢性化するリスクが高まります。
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違和感が続いている
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痛みやしびれが繰り返し出る
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日常生活に支障が出始めている
こうしたサインがある場合は、できるだけ早い段階で専門家に相談することが、結果的に回復までの時間を短くします。
この記事を読んだ方へ
坐骨神経痛は、正しい知識と適切な対応によって、改善が十分に期待できる症状です。
本記事が、「何科に行けばいいのか分からない」「自分の症状が何なのか不安」と感じていた方にとって、状況を整理し、次の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
症状や不安は人それぞれ異なります。迷ったときこそ、一人で抱え込まず、専門家の視点を取り入れてみてください。それが、安心して日常生活を取り戻すための近道になります。
坐骨神経痛でお悩みの方へ
「この症状、どこに相談すればいいか分からない」
そんな方こそ、一度ご相談ください。
坐骨神経痛は、原因や身体の状態によって必要な対応が大きく異なります。
自己判断で我慢したり、合わない対処を続けてしまうと、症状が長引いたり再発を繰り返す原因になることも少なくありません。
サモーナスポーツ整骨院では、
-
現在の症状が 医療機関の受診が必要かどうか
-
整骨院での施術が 適している状態かどうか
を丁寧に評価したうえで、あなたに合った改善プランをご提案します。
このような方は、ぜひ一度ご相談ください
-
坐骨神経痛と診断されたが、なかなか改善しない
-
ヘルニアと言われたが、手術以外の方法を探している
-
検査では異常なしと言われたが、痛みやしびれが続いている
-
整形外科と整骨院、どちらに行けばいいか迷っている
「まずは話だけ聞いてみたい」という方も大歓迎です。
早めの相談が、改善への近道になります。
FAQ|坐骨神経痛に関するよくある質問
Q1. 坐骨神経痛かどうか、自分で判断できますか?
A.
お尻から太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれが出る場合、坐骨神経痛の可能性はあります。ただし、原因は人によって異なるため、自己判断だけで決めてしまうのはおすすめできません。症状の出方や身体の状態を専門的に評価することで、適切な対処が分かります。
Q2. 病院(整形外科)と整骨院、どちらに先に行けばいいですか?
A.
強い痛み、しびれの進行、力が入りにくい、排尿・排便の異常がある場合は、まず整形外科での検査が必要です。一方、検査で大きな異常がなかった場合や、姿勢・動作で症状が変わる場合は、整骨院での施術が有効なケースが多くあります。状況に応じて併用することが理想的です。
Q3. 坐骨神経痛はストレッチだけで治りますか?
A.
ストレッチで一時的に楽になることはありますが、それだけで根本的に改善するとは限りません。骨盤のゆがみ、筋力バランス、身体の使い方などが関係している場合は、施術やリハビリを組み合わせる必要があります。状態に合わないストレッチは、かえって悪化させることもあります。
Q4. どれくらい通えば良くなりますか?
A.
症状の強さや期間によって異なりますが、目安としては
-
急性期:1〜3回で変化を感じる方が多い
-
回復期:2〜4週間で日常生活が楽になる
-
再発予防:1〜2か月かけて身体を安定させる
という流れが一般的です。無理なく段階的に進めていきます。
Q5. ハイボルト治療はどんな人に向いていますか?
A.
痛みやしびれが強く、動かすのがつらい時期の方に適しています。深部の筋肉や神経にアプローチできるため、初期の症状緩和に効果的です。状態に応じて、手技療法やリハビリと組み合わせて行います。
Q6. 整骨院は初めてで不安ですが、大丈夫でしょうか?
A.
初回は施術よりも評価と説明を重視します。現在の状態や施術方針を分かりやすくお伝えし、ご納得いただいたうえで進めますので、安心してご来院ください。無理な施術や強い刺激は行いません。
Q7. 仕事帰りでも通えますか?
A.
はい、可能です。お仕事や日常生活の都合に合わせて通院しやすいよう、予約制で対応しています。動きやすい服装が望ましいですが、ウェアのレンタルをご用意している場合もありますので、詳細はお問い合わせください。
Q8. 他の整骨院や整体に通っても改善しなかったのですが、診てもらえますか?
A.
もちろんです。改善しなかった理由として、原因の見極めやリハビリ不足が影響しているケースも多くあります。これまでの経過を踏まえたうえで、改めて身体の状態を評価し、最適な方法をご提案します。
最後に
坐骨神経痛は、「正しく知り、正しく対応する」ことで改善が十分に期待できる症状です。
迷ったときは、一人で抱え込まず、専門家に相談することをおすすめします。
この記事の執筆者:中澤 武士(なかざわ たけし)
保有資格:
-
柔道整復師(国家資格)
-
NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
-
NASM-PES(パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト)
-
中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
プロフィール:
スポーツ現場から医療分野まで幅広く携わる実践型トレーナー・施術者。
これまでに、大相撲の横綱をはじめとする幕内力士、新極真空手日本代表、プロボクサー、デフフットサル日本代表、競輪選手、実業団選手、市民ランナーなど多様な競技者をサポート。
施術による痛みの改善から競技復帰、さらにはパフォーマンス向上まで一貫したサポートを行うことを強みに、学生アスリートからトップ選手まで高い信頼を得ている。
現在は、江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」のエリアマネージャーとして、現場での施術・トレーニング指導に従事。スタッフ教育にも力を入れ、後進トレーナーの育成にも積極的に取り組んでいる。
区の行政事業における体操教室、トレーナー専門学校での学生教育、同業トレーナーへの指導、社内研修での講師など、教育・普及活動にも幅広く参加。
「根本改善・再発防止・パフォーマンス向上」を掲げ、身体の本質を見極める全身アプローチを信条に、多くの利用者が長く健康で動ける身体づくりをサポートしている。
この記事の監修者:鮫島 洋一(さめしま よういち)
保有資格:
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
- JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)
- NASMフィットネスエデュケーター
プロフィール:
メディカルトレーナーとして、甲子園大会や世界陸上など国内外のスポーツ現場に帯同。トップアスリートから成長期の学生アスリートまで、競技復帰・再発防止・パフォーマンス向上を見据えた施術・指導を行っている。
スポーツ障害に対する専門的な視点と、根本改善を重視した全身アプローチで、多くの競技者のサポートに携わってきた。
現在は江東区エリアにて「サモーナスポーツ整骨院」「パーソナルトレーニングジム サモーナ」を運営し、地域の運動愛好家・学生アスリートからの信頼も厚い。また、トレーナー教育のための専門学校のコース長として教育の現場でも活躍している。
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